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インフレになると通貨は下落する
海外旅行に行くと、ドル、ユーロ、人民元などと実にいろいろな通貨があり、空港に着く度に両替をしなければならない。
これはそれぞれの国が通貨を自由に発行しているから、当たり前のことだ。
もし世界中に一つの共通通貨しか発行されていなければ、こんなに難しいことは考える必要はないのだが、現実はそうはいかない。
俺たちの住む世界に複数の異なる通貨が存在する以上、それを売り手と買い手が納得する比率で交換しなければならない。
この交換比率(1ドル=100円)のことを為替レートと呼ぶ。
ところで、iPhoneは世界中どこに行ってもiPhoneで、同じスペックならどの国のものでも価値は同じにならないとおかしい。
仮に為替レートが1ドル100円だったとして10万円のiPhoneが日本で販売されていれば、アメリカでは同じ機種が1000ドル前後で売られているはずだ。
さて、この時日本にインフレが発生したとする。
モノの値段が上がり、iPhoneの値段は12万円になった。
その時、アメリカではiPhoneがまだ1000ドルで売られているならば、みんなiPhoneはアメリカで買いたいに決まっている。
なぜなら1ドル=100円なら、アメリカでiPhoneを買うと10万のままだから。
しかし、現実にはこのようなことは起こらない。(短期で起こってもやがて修正される)
今や日本円の12万円とアメリカの1000ドルが同じ価値になり、為替レートが変動し、両方の通貨の価値が同じところになるまで調整されるからだ。
今まで10万円で1000ドルと交換できていたものが、今では12万円で1000ドルと交換できる。
同じ金額のドルを購入するために、多くの円を払わなくてはいけないということは、円の価値が下がったということで、これは円安ドル高だ。
円安ということは、円が下落したということだ。
今回の例では、日本がインフレになった影響で、円安になった(円が下落した)ことになる。
このことから、為替とインフレ率に関する次のようなシンプルな定義が導き出される。
「インフレなら通貨は下落する」
「デフレなら通貨は上昇する」
そういうことだったのだ。