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複利はマイナスに働くと「恐ろしい」魔法
「複利」は資産を増やす最高の魔法なのは間違いないが、これは複利がプラスに働いているときの話だ。
複利が良い方に働くと利息が元本に組み込まれ、より大きな利息を手に入れることができ、資産が雪だるま式に増えていく。
しかし、もし複利がマイナスに働いた場合、これとは逆の現象が起こり、資産がどんどん減ってしまうわけだ。
例えば「借金」の金利。これが複利だと辛い。
今でも存在するのかどうかは定かではないが、かつて「闇金」の利息はトイチと呼ばれ、10日間で一割(10%)の金利というとんでもないものだった。
しかもそれが複利で増えていくという恐ろしいものだ。
例えば、100万円を借りると10日目に10万円の利子が発生。
このまま返済を行わずに20日目になると、元金100万円に前回の10万円の利子の合計110万円に対してトイチの利子がついて121万円になる。
30日目には利子に利子がついて133万1000円。
この調子で返済しないままでいると…
40日目には146万4100円
~途中省略~
100日目259万3740円
~途中省略~
200日目672万7487円
~途中省略~
360日目には3091万2604円!
これではまともに返済できる人がいるとは思えないから、一度闇金に手を出すと人生が積んでしまうと言われていたのだ。
10日で10%もかなり高いけれど、それが複利で増えていくと考えれば、これほど恐ろしいことはない。
ところで、闇金とは言わなくても普段私たちが何気なく使われている金融サービスで、これと似たような仕組みのものがある。
それはクレジットカードのリボ払いだ。
リボ払いは、月々のカードの支払いを一定にすることができるので便利な反面、マイナスの複利の典型的な金融サービスだ。
カード会社にもよるが、リボ払いの手数料はだいたい購入金額の15%。
あなたが買った10万円のコートを、リボ払いで月々5000円の支払いに設定すると、総支払額は12万円で24ヶ月の支払いになる。
ここまでならまだギリギリOK。問題は、その支払いを完了していないのに、追加で何かをリボ払いで購入した場合だ。
あなたは翌月に10万円のバッグを買って、それもリボ払いにしたと仮定する。
すると、今度はコート代の返済額12万円(価格は10万円)にバッグ代の10万を足した22万円に対して15%の利息が発生するのだ。
これで本来20万円の買い物に対して、利息を含めた総支払額は25万3千円。
このように、リボ払いを繰り返すと、その利息を含めた金額に利息がかかり、複利のパワーで借金が一気に膨れ上がってしまうことになる。
だから金融リテラシーが高い読者の方々は、どんなに還元ポイントが高くても、決してリボ払いを指定してはいけないのだ。