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簡易宿泊所許可物件を探す旅(3)

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超レアな極上新築新築との出会い

その物件情報は、俺の懇意にしている不動産会社Aからもたらされた。
4月に今年初めての沖縄に飛び、定期的に連絡を取り合っているA社に手土産を持って挨拶に行った時の事だ。

不動産会社はある特殊なネットワークでつながっており、どの販売業者がどんな物件を売り出しているのかを様々な条件指定で調べることができる。
A社の担当は、俺の訪問前にその情報を確認してくれていた。
そしてなんと、都市部にある簡易宿泊所の申請可能なエリアで、最近売りに出された新築物件を見つけたというのだ。

しかしこの物件は、他の不動産会社が専任媒介で取引しているもので、A社が俺に紹介したところで彼らには何のメリットももたらされないものだった。
それどころか、この行為はライバル会社のセールスを手伝うという自分たちの利益相反になる行為なのだが、それにもかかわらずA社の担当は、その物件情報と取り扱っているC社の連絡先を俺にそっと教えてくれたのだ。

A社から入手した資料を読み解くと、その新築戸建て物件は3月末に5戸完成されており、売り出し2週間が経過した時点ですでに2戸が売却済みだということがわかった。
残りは3戸。その中で民泊が可能な用途地域に建てられているものは国道に一番近い1戸だけ。
実は敷地内に用途地域の境界線がまたがっており、その他の4戸では簡易宿泊所の許可が取れない立地に建てられているため、その1戸は俺にとって超レア物件ということになる。

即決即断が未来への扉を開く

そして次の週末には、未契約物件の現地販売会が予定されていることがわかった。
時は木曜日の夕方。

土曜日の昼に東京に戻らなければならない俺には、明日の金曜日しか残された時間はない。
俺はすぐにその物件を内覧したいという連絡をC社に入れ、金曜の午後に単独の内覧予約を入れた。
同時に、以前からやりとりしていた沖縄の金融機関の担当に電話をし、この物件への融資の仮審査を大至急で頼みたいと依頼をかけた。

そして内覧の時がやってきた。
今俺が運営している民泊物件から、車で10分もかからないその場所には、すでにC社のセールスが来て俺を待っていた。

まずはお互いの名刺を交換する。
埼玉県という住所に反応している相手に、冷やかしではないという意思を伝えながら、俺は簡単な自己紹介をしつつ、その目的の1戸に足を踏み入れる。
新築特有の良い香りが鼻を掠める中、各部屋の間取りや設備を確認してまわる。
一通り全部の部屋を見終わった時には、もう俺の気持ちは固まっていた。これは「買い」だ。

家は隅々までしっかりと作られていて、安っぽさは全くなかった。
用途地域の問題もクリアしているし、今の民泊物件からもほど近い。
今と同じくらいの需要は見込めるし、軌道に乗せれば利益だって出せるだろう。

しかし急がねばならない。
週末には現地販売会が計画されており、すぐに地元のライバルから申込が入ってしまうかもしれない。
それに対して、俺は仕事の合間に電話やメールで購入の手続きや様々な調整をすることになるだろう。
スピードが命の世界なので、大きな金額の投資でも物事を瞬時に判断し、先に進めなければ負けてしまう。のんびりと構えてはいられないのだ。

物件の買付証明書は今すぐにでもサインしたかったが、不動産会社からは融資の仮審査が通らないとその申込みは受付けないと言われた俺は、土曜日モヤモヤした気持ちで、沖縄を発った。
「どうか他の人が先に購入しませんように」そう願わずにはいられなかった。

そして週明けの月曜日、金融機関から仮審査が通ったという連絡を受けた俺は、その場でメールのドラフトに保存しておいた「買付証明書」をC社に送信したのだ。

週末の販売会で、新しいライバルは出てきてはいないだろうか?
今回俺はベストを尽くした。
これで購入ができなければ、それもまた運命だと思いながら、俺はC社からの連絡を待った。

(続く)

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