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サラリーマンが築古木造を購入すると節税できるのか?(2)

生まれて初めての個別投資相談で、俺の担当をしてくれたのが、常務取締役のOさん。
本人のキャリアも興味深く、八百屋から不動産会社に転職し、そこで自分でも不動産事業を行って成功をおさめたという方だった。

その会社の扱っている物件や具体的な節税のスキームを説明してもらえばもらうほど、俺はMS社の販売する物件が「欲しくて欲しくてたまらない病」にかかってしまっていた。
中途半端な不動産の知識しか持ち合わせていなかった俺は、人生初めての不動産投資相談で、彼らの行うセールストークに心底惹かれていた。

物件自体のポテンシャルより、節税スキームとしての不動産事業。自分で住むのでなければ、どんな物件でも目的が達成(節税)できればそれで良い。
だから俺は、自分の状況なら築浅RCよりも築古木造がベストだと本気で思っていた。

MS社のの説明を一通り受けた後、俺は自分もその会社の販売物件を購入したいと手を挙げた。
しかし彼らの扱う自社再生物件は、当時相当な人気で、その時は確か50人待ちということで、俺は購入希望リストの最後に形式的に名前を載せてもらうのがやっとだった。
その後俺は別の数社の不動産投資相談にも申し込んで何社からも話を聞いてみたのだが、正直MS社ほど魅力的でお付き合いをしたいと思える所は出てこなかった。

そして約半年が過ぎた。俺は相変わらず不動産屋巡りを続けたり、不動産関連の本を読み漁って過ごしていた。
MS社の物件にはまだ興味を持ち続けていたが、いつまで待っても物件紹介の連絡が来ない。
だから俺は再度MS社の個別投資相談を申し込み、なんとか俺を購入希望者リストの上位に入れてもらうよう直談判に行ったってわけだ。

2度目の面談の担当はFさん。人のご縁とは面白い。彼は数年後に大阪のRC物件を購入し、その管理をお願いすることになった会社の代表だが、当時はMS社でキャリアを積んでいたのだ。
ここで俺は、どれほどMS社の物件に魅力を感じているかを熱っぽく語り、Fさんに具体的な物件の紹介をお願いしたいと伝え、はっきりとした手ごたえを感じとることに成功した。
やはりどんなことも、自ら行動しなければチャンスの神様は降りて来ない。
そうしてやっと紹介してもらった物件が、足立区にある一棟アパートだった。

駅からも遠い、部屋も狭い。3点ユニットのロフトで約15平米。こんな所に住む人がいるのかと不思議になるような物件だったが、空室はそれほど多くなく、俺はなぜか物件を確認する前から購入する気持ちになっていた。
夢にまで見た一棟物件だ。ここで買わないと、二度と物件の紹介はしてもらえないだろうし、そうなれば一生後悔するかもしれないという気持ちの方が強かったのかもしれない。
俺は周りの反対をいろいろな自己中心的論理で封印し、ついに物件の買い付け証明書(融資特約あり)にサインをした。

でも、結局この物件は購入できなかった。
どの銀行からも融資の承認が下りなかったのだ。数ヶ月前なら確実に通っていたはずの融資なのだが、ちょうど金融庁からの圧力で各銀行の方針が変わり、築古木造の融資基準が引き上げられたのが理由だと説明された。
残念だったが、ここは俺も潔くあきらめざるを得なかった。

でも俺はこの経験を通して、2つのものを手に入れた。
1つ目は、木造がダメならRCにチャレンジしようという新しい考えと意欲。
2つ目は、MS社との信頼関係だ。購入希望リストをすっ飛ばして紹介してくれた物件に対し、俺は購入の意思をはっきりと伝えた。俺が冷やかしではなく、本気で買う気のある顧客だということを、MS社担当者は理解してくれたし、一連のやりとりを通し俺のMS社に対する信頼度は増すばかりだった。

この事件があってから俺は木造をあきらめ、MS社とは別ルートを通じて札幌と大阪のRCを手に入れ、数ヵ月後に大家デビューを果たすことになるのだが、それは散々過去のブログに書いたことなので、興味があれば該当記事を探してみてくれ。

その後もいろいろな不動産業者と付き合い、ある会社とは訴訟にまで発展した時にずっと考えていたこと。
それは何を買うかより、どこから(誰から)買うかの方が重要ということだった。

信頼できる会社と担当者から物件を購入すれば、それは安心して長期で保有することができる。これが真実だと俺は疑わなかった。
そしてそれから数年間、MS社は俺の中では間違いなく信頼できる不動産会社のトップに君臨する会社だった。

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