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金利4.5%からの船出(後編)

(前編はこちら)

それから2ヶ月後の2016年10月。俺はまだ大海原の真っ只中にいた。
仲介役のMさんが、メガバンクの渋谷支店の融資担当者に最初にコンタクトをしたのが8月中旬。
本審査前に行われる簡易審査用の資料を俺が完璧に仕上げ、Mさんがそれを渋谷支店に持ち込んだ。

融資担当者の感覚からすれば、この借換え案件は本部のGoサインが出るだろうということで、俺はその時を今か今かと待ち続けていたが、実際には何事も起こらないまま時間だけが過ぎていき、俺は少しずつ焦り始めていた。

本当ならすでに借換えが終わっていてもおかしくないタイミングなのに、なぜこんなに時間がかかっていたのか?
9月末が銀行の中間決算で、担当者がそれに忙殺されていたという理由だけではない。

実はその当時、案件を持ち込んだ渋谷支店と、実際に融資を実行することになる俺の居住地の最寄り支店との間で、ある問題が発生していたのである。

俺が最初に居住地の最寄り支店に借換えの打診したのが2015年1月。当時その支店ではこの借換えの本審査を行い、俺は一度否決されていた。そうだ、生々しい記録がここに残っていた。
だが2年も経たないうちに、また同じ案件が別支店から持ち込まれてしまった。
銀行マンだって会社員だ。支店のメンツを保ったり、担当者自らの保身に走ったりという大人の事情が見え隠れするのは仕方がなかった。

渋谷支店の立場からすれば、通常はこのレベルの借換えは問題なく実行されるという認識だった。しかし他支店で一度否決されているこの案件を、本部の融資審査部に上げるためには、審査のプロセスを通常以上に慎重に行わざるを得なかったということだ。

銀行の融資姿勢は常に変化し、支店によって同じ物件を持ち込んでも反応が違うことがあるという俗説を、俺は知識としては持っていた。そしてこの2ヶ月で、俺はそのことを嫌というほど思い知らされたってわけだ。

その後、Mさんのフォローや、税理士さんに作成して頂いた追加の資料を提出したことなどが功を奏し、ついに2016年の11月の終わりに俺の長年の夢の一つが叶った。

金利はなんと5年固定の0.8%台後半
更に所有者は個人から法人に変更
もちろんフルローンで、融資期間も30年近くの長期という最高の条件だ。

零細企業の主要取引銀行が、4.5銀行からメガバンクになるまでには、非常に長く険しい道を歩まなければならなかった。
でも俺はついにそれを乗り越えることができたのだ!

俺は一度別れてから再び愛し合った妹のアイツを躊躇なく切り捨てた。今度こそ永遠のお別れだ。
今まで本当にありがとう。

こうして俺は、個人の資産と負債を全部清算し、ついに金利4.5%の呪縛から抜け出し一気に先頭集団のトップに躍り出た。

(金利4.5%からの船出 完)

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