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【会社員の節税】「木造築古不動産投資」でサラリーマン大家は節税できるのか?減価償却の取り過ぎには要注意!

3. 減価償却の取りすぎで陥る罠

3.1  簿価(ぼか)とはなんだ?

減価償却は、あなたの財布から実際にお金を出さなくても、一定の費用計上を数年にわたってできるということは、先ほど説明をしました。しかし本来減価償却とは、節税のためにあるものではありません。これは長期的に価値が減少していく固定資産を一括で資産計上するのではなく、決められた耐用年数に応じて計上するという税法上の仕組みです。

減価償却が行われると、その分の固定資産の帳簿上の価格が減少していきます。例えば2,000万円の価値のあった木造アパート(建物分)は、減価償却の500万円を計上すると、帳簿上の価格が1,500万円に下がるわけです。これを4年間繰り返した後の木造アパートの建物部分の帳簿価格は1円となり、これ以上減ることはありません。(同時に減価償却の効力も失います)
この帳簿上の価格の事を簿価(ぼか)と呼びます。ちなみに帳簿とは、一般のサラリーマンにはなじみがないものかもしれませんが、決算書を作る時のベースになるもので、不動産オーナー等の個人事業者になると必ず必要になります。

3.2 簿価が下がると売却時の譲渡益が高くなる

結論から言ってしまうと、減価償却を取りすぎると、その不動産を売却する時により多く課税されることになります。これを理解するためには、不動産の売却時に課税の計算方法を知っておく必要があります。
納税額は、売却時に算出された「課税譲渡所得」に係数をかけて求めるのですが、簿価が下がると母数の課税譲渡所得が上がるらです。

係数は不動産の所有年度によって次のように変わります。

◎売却が保有から5年未満は、短期譲渡所得で約39%の税率
◎売却が保有から5年以上は、長期譲渡所得で約20%の税率

そして、この元になる課税譲渡所得の算出方法は次の通りです。

◎課税譲渡所得=不動産売却金額-(土地の簿価+建物の簿価+購入時&売却時の仲介手数料の合計)

例えば、あなたは先ほどの木造アパートを、4年間で減価償却を取りきった後に、売却することにしたとします。
売却価格は、4年間の建物の経年劣化を考慮して、3,800万円(土地2,000万、建物1,800万)と仮定しましょう。
この場合の課税譲渡所得を計算してみます。

課税譲渡所得=3,800万-(2,000万+1円+購入時の仲介手数料132万円+売却時の仲介手数125万)=1,543万円
*不動産業者に支払う仲介手数料は売買価格の3%+消費税(10%)で算出

4年後の売却だと、この1,543万円に短期譲渡所得の税率の39%が適用され、売却時に納める税金は600万円程になります。
長期譲渡所得になるまで1年待って、保有5年経過後に売却したとしても、約308万円の納税。しかも5年目は減価償却が取れませんので、サラリーマンの給与に不動産事業での収入が加算され、その年はより多くの税金を支払わなければなりません。
リスクを取って1年間に100万円の節税を4年間行い、5年目の売却時に308万円の譲渡税を支払う。ここで勘のいいあなたならきっと思うはずです。「あれ?これって本当に割に見合う投資なのだろうか?」と。

3.3 不動産投資に必要なその他の経費

話はまだ終わりません。不動産の取得時には仲介手数料登記費用、そして印紙代不動産取得税などがかかります。保有期間中は毎年固定資産税を支払い、売却時にも仲介手数料を支払います。更に融資をした金融機関への利息も含めると、4,000万のアパートなら、これらの金額だけで最低でもトータル500万円はかかるはず。すると、毎年100万円ずつ利益があったはずの不動産からの収入も、これで綺麗さっぱりなくなってしまうのです。

せっかくリスクを取って不動産に投資して節税に成功しても、結局収支はトントン。空室などが続いたら全体ではマイナスです。一体なぜこんなことが起こってしまうのでしょうか?
結論から言いましょう。それは、あなたのサラリーマンの年収がたったの1,000万円だからです。

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