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【会社員の節税】サラリーマンは木造アパートで節税してはいけない

2. 築古木造アパート経営は、資産を増やしながら節税も可能!?

2.1 減価償却とは何か?

築古木造不動産で節税するためには、減価償却についての知識が不可欠です。減価償却とは、建物や車などの購入にかかる費用が大きく、年を重ねると価値が減少していく固定資産を、法的に決められた耐用年数で分割して費用計上する会計上のルールです。

例えばあなたは、事業用の新車を300万円で購入したとします。新車の普通自動車の法定耐用年数は6年と定められていますので、会計上は毎年50万円6年間にわたり、減価償却を行うことになります。しかし、これの何がメリットなのでしょうか?

あなたは今年、新車の車両代金として300万円の支払いを行いましたが、出費があるのは今年だけで、来年以降は自分の財布からお金が出ていくことはありません。(ローンの支払いなどは考慮しません)
しかし会計上は今年から6年間かけて、50万円ずつ経費として車代を計上することができます。財布からお金は出ていかないのに、年間50万円を経費として計上できれば、お金を貯めながら税金の支払いを安くすることになり、良いことづくめではないでしょうか。

同様に今度は事業用の車を4年落ちの中古車で購入したとします。車両価格は同じく300万円です。4年落ちの普通自動車の法定耐用年数は2年ですので、減価償却できる額は1年で150万円に上がります。言い換えれば、年間150万円を2年間経費として計上できることになるのです。
例えば自分のビジネスが今後2年間で大きく成長すると予想できるタイミングでこのような中古車を購入することにより、減価償却で課税される金額をコントロール(節税)できるわけです。だから世の中の羽振りの良い社長たちは、2年毎に中古のベンツを買い換えているわけですね。
非常にざっくりとした説明ですが、このように当面の節税だけを考えた場合、減価償却はより短期間で大きくとる方が有利になります。

2.2 木造アパートで節税できる仕組み

先ほどの例は車でしたが、今度は木造アパートで同じことを考えてみます。サラリーマンのあなたは新築アパートを不動産事業用として4,000万円で購入しました。資産価値の内訳は、土地代が2,000万、建物代も2,000万円とします。木造アパートの耐用年数は22年ですので、この場合建物代の2,000万円を22年間で償却することになります。(土地は経年劣化をしない性質のものなので、減価償却はできません)
これを計算すると1年間の減価償却は約91万円となり、これが毎年経費化できる金額となります。
次は築23年の木造アパートを、同じ価格で購入したと仮定します。木造アパートの法定耐用年数は22年ですから、この物件はすでに法定の耐用年数が切れています。しかしあなたが新しくこの不動産を取得した場合、新所有者はその物件の法定耐用年数にかかわらず、減価償却を最短4年で取ることが認められています。この場合建物代2,000万円を4年で償却するので、1年で減価償却できる金額は500万円となります。

ところで、あなたは年収1,000万円のサラリーマンです。毎月の給料日に自動で引かれる社会保険料と各種所得控除などを差し引くと、課税所得は約620万円。これに対して所得税82万円住民税62万円(計144万円)を納税しています。(意外に少ないと思われるかもしれませんが、社会保険は月に約10万円ずつ、これとは別に支払っています。)

この年、あなたは先ほどの中古アパートを購入したとしましょう。アパート経営には、入居募集の広告費や修繕、または銀行への金利の支払いなど、それ自体に経費がかかります。家賃収入からそれらの経費を差し引いた帳簿上の利益は100万円の黒字でした。(通常は物件を所得した年の不動産収支はマイナスになりますが、ここでは減価償却の考え方の説明のため、詳細は割愛します。)
すると、あなたがその年に支払うべき税金は、サラリーマンの収入で稼いだ課税所得620万円に不動産所得の100万をプラスした720万円になります。この場合、所得税102万円と住民税72万円で合計の納税額は174万円まで膨れ上がります。

しかし、ここで500万円の減価償却が使えるのです。課税所得720万円から減価償却分として500万円を経費計上し、あなたの課税所得は220万円まで下がりました。納税はこの金額に対して行うので、この場合所得税12万5千円、住民税22万となり合計の納税額は34万5千円まで大きく圧縮されました。
不動産投資をしていなければ、納税額が144万円だったあなたは、不動産投資をし、減価償却を使うことによって、その年の税額を34万円まで落とし込むことができたのです!
このままいけば、不動産所得の収入はプラス100万円をキープしつつ、100万円以上の節税を4年間にわたり享受することができるのですから、かなり大きなメリットになるのではないでしょうか。

今までの説明を表にまとめると、下記のようになります。

  課税所得 所得税 住民税 合計納税額
年収1千万(会社員) 620万 82万 62万 144万
年収1千万+不動産所得(100万円) 720万 102万 72万 174万
年収1千万+不動産所得-減価償却(500万円) 220万 12万5千 22万 34万5千

2.3 鉄筋ではなく木造じゃないとまずいわけ

減価償却を短期間で大きく取るためには、購入金額が大きく、法定耐用年数が短いものを選ばなければなりません。木造住宅の場合、新築の法定耐用年数は22年。耐用年数切れで取得した場合は最短4年です。これが重量鉄骨やRC構造の建物になると次の表のようになります。これが節税するなら耐用年数が切れた木造を購入した方がいいと言われる所以です。

建物構造 法定耐用年数 耐用年数経過後の最短減価償却
木造 22年 4年
重量鉄骨造 34年 6年
RC造 47年 9年

2.4 不動産会社のセールストーク

不動産という資産を手に入れながら、保有中は家賃収入も得ることができ、減価償却により税を数年にわたり圧縮する。減価償却を使い終わった不動産は用済みなので売却し、また新しい築古木造アパートを購入して節税を繰り返す。
これは完全に合法的な方法ですから、不動産価格が大きく下落するようなリスクがなければ、夢のような話だとは思いませんか?
実際に不動産業者のセールストークではこのような説明が行われます。そしてクロージングはこうです。「築古の木造アパートはあなたが購入する時点ですでに十分値下がりしているので、これ以上大きく価値が下落することはありません。これは富裕層向けの節税ですから、誰にでもできるものではありませんよ。

こんなことを言われると、一刻でも早く薦められた木造物件を購入しないといけないと焦る気持ちも理解できます。少なくとも私はそう信じて疑いませんでしたので、数年前に業者から言われるままに節税目的で高額の中古木造アパートを購入しました。しかし買ってからわかったのです。世の中そんなにうまい話はなかったのだと。

次の章では、減価償却の取りすぎが引き起こす問題点を挙げ、それについての考察を行います。節税目的で不動産を購入するのは、これらの問題を理解してからでも遅くはありません。

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