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【会社員の節税】サラリーマンは木造アパートで節税してはいけない
この記事の目次
はじめに
年収は増えているのに、手取りが増えない。いやむしろ、手取りの額は毎年少なくなっていく。あなたはこのような経験をされてはいませんか?なぜ年収が増えているのに、手取りが減ってしまうのか?それは税金や社会保険の額が、年収の増加以上に毎年少しずつ上がっているからです。
せっかく高額な税金を納めていてもそれが有効に使われていなければ、できるだけ税金を払わないで済む方法を考えるのが自然です。しかし、自営業ではないサラリーマンが節税するための手段は非常に限られている。あなたは、NISAやiDeCo、またはふるさと納税などすでにできることは実践済みだれど、もっと大きく節税したいと思っていることでしょう。そうやって調べていきつく先が、不動産を使った節税スキームです。
不動産を使った節税は、資産を増やしながら節税もできる魔法のような投資に聞こえるかもしれません。しかし、これは事実なのでしょうか?
この記事では、実際に不動産投資を通して節税を試みた筆者の経験をもとに、節税目的で不動産投資をする際の注意点と押さえるべきポイントをまとめました。
1. サラリーマンだって節税したい
1.1 搾取される会社員
サラリーマンのあなたは、一年間に支払う自分の税金の額をきちんと把握していますか?おそらく、正確な金額までは覚えていないのではないでしょうか。しかし、アメリカで同じ質問をすると、ほとんどの会社員は自分の納める税額を答えることができます。これは、アメリカでは会社員であっても、個人で確定申告をすることが義務付けられているからです。
ちなみにアメリカでの確定申告は、タックスリターンと呼ばれています。確定申告をして、余分に支払った税金を合法的に還付してもらう。ほとんどの人にとって、支払う額より還付額が多いことから、このように呼ばれているのです。
一方日本の一般的な会社員は、自分で確定申告をする必要はありません。これは給与が支払われる際に、税金や社会保険が源泉徴収(自動的に徴収)されているからです。毎年12月には年末調整という確定申告のようなものが行われますが、これは会社の人事部などが、あなたの代わりに税務申告の代行作業をしてくれているのです。
これを嫌だと言っても、すべてのサラリーマンはこのルールに従わなければなりません。こうして日本の会社員は、源泉徴収される金額には目を向けなくなり、頭に入っているのは毎月の手取りの額だけということになってしまっているのです。しかし、これこそが政府の思う壺なのです。
源泉徴収されているる金額に誰も目を向けないのであれば、政府の財政赤字を埋めるためには文句を言わない層からごっそり取っていくのが、政治的には合理的です。こうして所得税も健康保険も介護保険も厚生年金も雇用保険も、わずかながらも少しずつ値上げが繰り返されているのです。その結果、あなたの年収は上がっているのにもかかわらず、いつまでたっても手取りが増えることはありません。
1.2 累進課税と社会保険のWパンチ
上記の事実に追い打ちをかけるように、日本の所得税は累進課税制度を採用しています。これは所得に対して一律何パーセントという定率課税ではなく、年収が増えれば税率も上がっていくという仕組みです。
「高額所得者は稼いだ分の半分以上を税金で持っていかれる」という話を聞いたことがあるかもしれませんが、これは誇張でもなんでもありません。課税される所得が4,000万円を超えた場合、所得税率は45%。これに住民税の10%が加わると、合計55%が税金で引かれる仕組みです。(実際は一定の控除額が定められているため、55%よりも低い税率になりますがここでは詳細を省きます)
4,000万円の所得は確かに高額だとは思いますが、一生懸命頑張ってリスクも取って得た収入の約半分を税として納めるとなると、一体誰のために働いているんだということにもなりかねません。
さらに話は続きます。サラリーマンは、税金の他にも、社会保険料も源泉徴収されています。これがまた驚くほど高額で、稼げば稼ぐほど徴収される額も上がってきます。(上限はあります)
これらを考慮すると、高額所得者は収入の半分を税金や社会保険料で国に持っていかれるというのは、都市伝説でもなんでもなく、事実なのです。
1.3 所得制限で補助金も受け取れない
税金の究極の目的とは、富の再分配ですが、税金を支払っている身でも、もらえる補助金はもらっておきたいものです。しかし、他の条件が全く同じでも、所得が基準値を超えたというだけで、補助金がもらえない(または大きく減額される)場合があります。
例えば子育て家庭の高等学校等就学支援金制度では、年収900万から1,000万円前後で支給される家庭とそうでない家庭に分かれます。児童手当も、夫婦どちらかの年収1,200万円を超える場合は、給付が廃止されることが決まりました。累進課税で高い税金を払っているにもかかわらず、補助は何にも出ない。これでは、いくら税金が所得の再配分という性質を持っているものとは言え、高所得者にとってはあまりにも不公平だと感じるのは当然ではないでしょうか。この他にも住宅の補助や幼稚園の給付金など、所得制限がある補助金や自治体の制度は、枚挙にいとまがありません。
1.4 サラリーマンでも裏技で税金を取り戻せる!?
サラリーマンは会社の経費は使えたとしても、個人の経費はほとんど使えません。しかし理論上は経費を支払い、それを確定申告し、税金を取り戻すことも可能です。そのための条件は、会社以外の事業(副業)が赤字であること、たったこれだけです。
例えば、あなたが本業で働いている会社とは別に、個人で複数の事業を展開しているとして、それらの事業の総売上げから、かかった経費(パソコン代や打ち合わせ代など)を差し引きます。結果が赤字であれば、それを確定申告することにより、本業の会社で源泉徴収された税金の一部を取り戻すことができます。これは会社員としての課税対象となる収入と、事業の赤字を相殺できるからです。しかし、これは理論上の話です。単年度であればまだしも、複数年にわたりこれを繰り返すとなると、税務署から「脱税」として摘発されることもあり、リスクは高くなります。そもそも、赤字の事業を毎年続ける意味は、節税以外には考えづらいからです。
そうではなく100%合法で、複数年にわたり事業を大きく赤字にさせる方法がもう一つあります。それがこの記事のメインテーマである、「築古木造不動産で償却メリットを大きく取る」という節税法なのです。合法で、サラリーマンでもできる節税法であれば、累進課税で税率の高いサラリーマンにとってはかなり魅力的なスキームのように思えます。しかし、本当に実践しても良いのでしょうか?
次の章で、この節税法の具体的な仕組みを見ていきましょう。